Time-gatedラマンによる
ダウンストリーム
バイオプロセス解析
ダウンストリーム工程における
精製・分離プロセスの可視化
ダウンストリームプロセスは、アップストリームで生成された細胞培養物から目的タンパク質やバイオ分子を精製・分離する工程です。
ろ過、クロマトグラフィー、濃縮など複数の工程を経て、純度と生物活性を確保した最終製品へと導きます。
精製工程におけるパラメータ管理は、収率や品質の安定性に直結します。
そのため、工程中の成分変化や不純物挙動を適切に把握することが重要です。
ダウンストリーム工程で直面する課題
ダウンストリーム工程では、目的分子と不純物の分離効率が重要な課題となります。
オフライン分析に依存する場合、データ取得までに時間差が生じ工程変動への迅速な対応が難しくなることがあります。また、蛍光やバックグラウンドの影響を受けたスペクトルは、定量精度やモデル構築の安定性に影響を与える可能性があります。
特に、タンパク質や培地由来成分を含む複雑な系では、従来のCWラマン測定で蛍光が課題となるケースもあります。
Time-gatedラマンによる蛍光低減と安定したスペクトル取得
Time-gatedラマンは、パルスレーザーと高速検出技術を組み合わせた時間ゲート検出方式を採用しています。
ラマン散乱の初期成分のみを選択的に取得することで、蛍光由来のバックグラウンドを低減し、信号対雑音比(S/N)の改善を図ります。
これにより、
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- クロマトグラフィー工程中の成分変化の追跡
- 精製条件検討時の定量評価
- 濃縮・ろ過工程におけるモニタリング
など、ダウンストリーム工程におけるデータ取得を支援します。
※本技術は時間分解解析(Time-resolved Raman)とは異なり、蛍光抑制を目的としたTime-gated検出方式です。
PAT(Process Analytical Technology)への応用
Time-gatedラマンは、ダウンストリーム工程におけるPATツールとしての活用が可能です。
継続的なデータ取得により、プロセス理解を深め、データに基づく工程検討を支援します。
S/Nの改善は、多変量解析や定量モデルの安定化にも寄与します。温度、pH、溶存酸素などの物理パラメータに加え、タンパク質濃度、アミノ酸、代謝物などの生化学的指標を含む解析基盤の構築が可能です。
REFERENCE
細胞外小胞の生産と品質管理の向上
フィンランド赤十字血液サービス:Timegated®技術による細胞外小胞の精製監視


