
2024年11月14日、European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceuticsに掲載の研究論文
「Freeze-drying induced mutarotation of lactose detected by time-gated Raman spectroscopy(凍結乾燥によるラクトースの変旋光がタイムゲートラマン分光法で検出)」が、ScienceDirect にて公開されました。
凍結乾燥(フリーズドライ)工程では、試料や賦形剤が受ける微細な構造変化が製剤の最終品質に大きく影響しますが、その分子レベルでの挙動はこれまで十分に把握されていませんでした。この研究(Freeze-drying-induced mutarotation of lactose detected by Raman spectroscopy)では、Timegate社のラマン分光器を用い、乳糖のアノマー構造(α型→β型)変化=ムタロテーションを、凍結乾燥中および再構成後に非破壊かつリアルタイムで可視化することに成功しました。
さらに、分子動力学(MD)シミュレーションとの統合により、ラマンで観測されたピーク変化と水素結合ネットワークの関連も考察。従来法では見落とされがちだった「凍結段階での構造固定性」など、工程設計に直結する知見が得られています。振動分光とシミュレーションの融合によって、製剤開発のスピードと精度を両立させる新たなアプローチが提示されました。
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