OGI3 散乱光式OD(標準装備 ) & 蛍光分光モジュール

OGI3 は、攪拌・温調・OD・pH・スパージング・蛍光・流体制御といった多彩な機能をモジュール化した、小型で高機能なパラレルバイオリアクターです。
その中で、今回紹介するのは、 「OD(光学濃度)モジュール」 と 「蛍光モジュール」 の2つの機能。
いずれも細胞の状態を“リアルタイムに可視化”するための要となる技術です。
■ 散乱光を直接測るOD (OGI3標準装備機能)
一般的な分光光度計では、”透過光”を測定して OD を算出します。しかし細胞培養では、透過しない光の多くは散乱によるもの。細胞が増えると複数回散乱(multiple scattering)が増え、測定が直線性から外れるという課題があります。
OGI3 の ODモジュールは、ここが異なります。
✔ OGI3 は“透過光ではなく”散乱光を直接測定する設計です。
・細胞が散乱した光そのものを拾う
・複数散乱の影響を含むため、透過光方式とは原理的に異なる
そのため、装置特性は 線形ではなく、べき乗則(power law)に従う という、むしろ物理的に素直な結果になります。この方式は「透過光の減りを見る」のではなく「細胞が起こした散乱を観察する」という方法です。
その結果、OGI3 は濁度変化をリアルタイムに高頻度で追跡でき、成長曲線の微妙な変化すら手軽に検出できます。細胞増殖をオンラインで連続監視したいユーザーにとって、非常に扱いやすいモジュールになっています。
■ 蛍光分光モジュール (OGI3 追加オプション )
OGI3 のもう一つの強みが、モジュール型ながら本格的なスペクトル取得が可能な蛍光分光モジュールです。
✔ 340〜780 nmをカバーする分光検出
256ピクセルのCMOSリニアセンサーにより、蛍光スペクトル全体をリアルタイム取得。
✔ 物理フィルター不要の“フィルターレス設計”
分光データから任意波長帯だけを抽出
複数蛍光タンパク質の検出や、カスタム波長帯の解析が容易
✔ 最大15 nmのFWHM(半値幅)で安定した分解能
組み込みモジュールとして非常にバランスの良いスペック。
✔ 励起LEDも柔軟に選択可能
標準:365 / 470 / 590 nm
オプション:405 / 505 / 570 / 605 / 660 nm
LED強度は 8bit 制御、常時点灯モードはオプトジェネティクスにも応用可能
リアクター内部で、eGFP・mCherry・BFP など複数蛍光プローブの“生”スペクトルを取得できるので、発現量の推定・安定性評価・応答速度の測定など、研究用途の幅が広がります。
👉蛍光モジュールの仕様詳細は、上記ドキュメント画像をクリックしてください。
■ OGI3は“ただの小型バイオリアクター”ではない
OD(散乱光)と蛍光(分光)という、2つの光学モジュールを内蔵していることで、OGI3 は以下を同時に実現します:
・細胞増殖のリアルタイム観察
・蛍光レポーターの発現量をリアルタイム解析
・培養状態と細胞応答の相関をその場で可視化
これらの情報は、培養制御やバイオプロセス開発において意思決定を支える情報をもたらします。
次回の製品紹介では、残りの機能、pH、流体制御、スパージング、温調&攪拌(標準装備)などについても解説していく予定です。
👉”OGI3のスパージング(気泡)制御”のページもご覧ください。
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