
先日、RheaVita社 CEOのThomas De Beer氏よりRheaLyo™システムで ”スピン凍結乾燥”処理されたマンニトールのバイアル瓶サンプルをいただきました。
下記動画では、バイアル瓶を底部から観察した画像と、底部からライトを照射した様子がご覧いただけます。
従来の凍結乾燥ケーキと比較すると、”スピン凍結乾燥”では生成物がバイアルの内壁に沿って薄く均一に広がっている点が大きな特長です。
この特性により:
・バイアル瓶内部の目視観察が容易になり、将来的には、AIによる外観検査の応用も期待できる。
・再構成(リコンスティテューション)が容易になる。
・高濃度タンパク質を再構成する際にも、従来の乾燥ケーキに比べてゲル化が抑制される。
といったメリットが期待できます。
さらに、スピン凍結乾燥技術は、1本から複数本単位のバイアル瓶で処理できるため、製品間のバラツキを抑えつつ、生産効率の向上を実現します。
また、従来のバッチ式凍結乾燥では困難であった結晶化速度の制御も、スピン凍結乾燥により精密に行えるようになり、製品品質の安定性と再現性が大きく向上します。
このように、スピン凍結乾燥は品質と生産性を両立させる次世代生産技術として、今後の応用が大いに期待されます。
今回いただいたマンニトールサンプルを、弊社のデモ機 Timegateラマン分光器 で測定してみました。その様子が下記の画像です。
このマンニトールの凍結乾燥サンプルは特定の結晶多形を得ることを目的に調製されたものではありませんが、測定の結果、α相とβ相それぞれの特長的なラマンピーク(1233cm-1, 1254cm-1,1355cm-1,1365cm-1)を確認することができました。わずか数分の測定で容易に結果が得られた点も大きな利点です。

また、Timegateラマンは蛍光を抑制できるため、蛍光の影響を受けやすいバイオ医薬品サンプルでも安定した測定が可能です。この特性は、凍結乾燥工程における結晶化挙動のモニタリングや多形解析といった応用にも有用であると考えられます。
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ぜひ実証試験に関するフライヤーもご覧ください。